親切な役所
 
私の住むところを管轄する役所は大変親切である。先日(2005.4.4)のエピソードを紹介したい。
 
ネズミが出て石鹸をかじられ、一部持って行かれて困った。と伝えたら、捕まえてやるから被害届を出せと言う。おもむろに書類を出して書き始めた。
はい、かじられたのは石鹸、持ってかれたのは1個ですか2個ですか、分からない、じゃ、2個にしときましょう。メーカーは?何の香りでしょう?どこに置いたあった?あ、ちょっと待って、足跡を見ときましょう。最後にその石鹸見たのは?かじられたの確認したのは?といった具合で質問して、
 
私は○○に住み、○○で○○の仕事をしている○○××です。
2日土曜の午後鍵を閉めて部屋を出た後、4日月曜朝部屋に入ったときの間に石鹸1個がかじられ、2個が持って行かれたのでお届けします。石鹸の香りはイチゴだったかレモンだったか良く覚えていませんが、・・・・
他人(私)の名前を使って、丁寧語、敬語を使って、(自分の上司宛に)書いてくれる。
書き上がった後で、空けてあった上の欄に私の住所氏名を書いて、はんこ押すようにってことだった。
自分の文書(被害届)字が書けなくても、漢字が書けなくても、みんな役所が書いてくれる。私は住所と名前とはんこだけ。
大変親切なことである。
 
 
あんまり上手な書き方でないから、それに、人に押しつけられて敬語使う(使わされる)の気持ちよくないから、その用紙くれれば、自分で書くから・・・・と言ったら、「だめ」だって。「みんな私が書いてあげることになってます」
じゃ、私が書いた後で、あなたがそのまま書き写すと良い、その用紙を貸してくれ、と言ったら、「この用紙(被害届用紙)は誰にも渡しません。私が書くから良いんです」
 
へーえ、被害を受けた人が、自分で書いた被害届は受け付けないの?「はい、例え書いてきても、改めて私が聞き取って、この用紙に私が書いたもの、それに被害者の住所氏名、はんこを押して、それで初めて被害届が出たことになります。」
自分で出した被害届、何書いたか覚えておくのに、写しを取ってから出したい。「だめ、絶対外部には出しません」
 
後で、役所が勝手に都合が良いように書きかえても分からないようにすること以外、何の意味があるのか教えて欲しい。「そういうことになってます」
 
 
これ、実は石鹸じゃなくって、現金。持ってったのはネズミじゃなくって人間だと思う。役所は埼玉県西入間警察署。自分で書いて(写しを取って)出したんじゃ、被害届にならないんだって、それじゃ出してもしょうがない。





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